ワークショップって?
方通行的な知や技術の伝達でなく、参加者が自ら参加・体験し、グループの相互作用の中で何かを学びあったり創り出したりする、双方向的な学びと創造のスタイル。Workshop。参加体験型活動プログラム。
概要
- みなさんはワークショップ【workshop】という言葉をご存じでしょうか。もともとは「仕事場」「工房」「作業場」など、共同で何かを作る場所を意味していましたが、最近では問題解決やトレーニングの手法、 学びと創造の手法として、あらゆる分野でワークショップが行われているのです。
- 日本経済新聞社により出版された「ワークショップ・デザイン 知をつむぐ対話の場づくり」の中で、ワークショップとは「多様な人たちが主体的に参加し、チームの相互作用を通じて新しい創造と学習を生み出す場」 と定義されています。ワークショップに集まった人々が思いやアイデアを語り、みんなが安心してのびのびと深め合っていく。そして、議論を通じて新しい発見をしたり、新しい何かを作りだしていく―そういった話し合い を生み出し、創造や学習につなげていく場として、ワークショップという方法が現在注目されています。
ワークショップの特徴
ワークショップには大きく5つの特徴があります。
1.参加
- 多様なメンバーの主体的な参加なくしては、ワークショップは成り立ちません。参加するしないを決めるのも、どれくらい熱心に活動するのかを決めるのも自分です。 参加メンバーが、常に当事者意識を持ちながら、ワークショップを一緒になってつくり上げていきます。
2.体験
- 参加したメンバーが、それぞれの体験を持ちより、それをもとに活動を組み立てるのがワークショップです。また、ワークショップを通じて参加者が共通の体験をすることで、日常では得られない創造と学習を生み出します。
3.協議
- 互いの資源を持ち寄り、協働作業を通じて、活発な相互作用を起こすことで、ワークショップのダイナミズムが生まれてきます。協働はワークショップの中核をなすものだといってもよいでしょう。
5.学習
- 参加者同士の活発な相互作用を通じて、一人では得られない気づきを獲得すると同時に、全員で大きな学びを培っていきます。
ワークショップのタイプ
1.組織系(問題解決型)ワークショップ
組織の種類(定常組織、プロジェクト、チームなど)や目的(営利・非営利)を問わず多方面で活用されているのが組織系のワークショップです。組織系ワークショップには、次のような応用がなされています。
- さまざまな会議やプロジェクト運営の円滑化
- 業務プロセス改善や現場の問題解決活動
- 組織再編やM&A時の組織融合の促進
- NPOなどのテーマ型組織の運営 など
2.社会系(合意形成型)ワークショップ
まちづくり活動など、ビジネス以外の分野で用いられることが多いのが、幅広い参加者の合意形成を目的とした社会系のワークショップです。企業活動においても、役割権限ではなくコンセンサスで物事を進める場合は、 こちらが用いられます。社会系のワークショップには、次のような応用がなされています。
- 組織やコミュニティのビジョン(目標)づくり
- まちづくりや地方自治などの社会的合意形成の場
- 各種コミュニティ活動の運営の促進
- 労働組合、自治会、PTAなどの全員参加型の組織の運営 など
3.人間系(教育学習型)ワークショップ
組織や社会の種類を問わず、ありとあらゆる教育や学習の場で活用されているのが、人間系のワークショップです。ワークショップの原点であると同時に一番歴史が深い分野でもあり、今では多彩な分野で活用されています。 人間系のワークショップには、次のような応用がなされています。
- 人間関係や自己変革(成長)のトレーニング
- キャリア開発、ライフプラン開発、就業支援
- 参加体験型学習を生かしたセミナー・研修
- 学校教育(教科、総合学習、クラスづくり)、授業改善(FD) など
4.複合系(変革型)ワークショップ
これらの3つの要素を併せ持つものを複合系(変革型)のワークショップと呼びます。典型的なものに「ワールドワーク」と呼ばれる紛争解決を目的としたワークショップがあります。
ワークショップの3つの要素
次にワークショップの構造を説明します。ワークショップは、次の3つの要素から構成されています。
1.チーム(グループ)~人と器をデザインする~
ワークショップでどの程度の主体性と相互作用が生まれてくるかは、どんな「人々(集団)」をどんな「器」に置くかでかなりの部分が決まってしまいます。ここでいうチームとは、参加者の顔ぶれで、 ワークショップに適切な人数はどれくらいか、目的に合う人は誰か、などが該当します。また、器にあたるのがチームの環境です。ワークショップは、目的に照らして、活動を促進できるような環境で行います。
2. プログラム~シナリオをつくる~
ワークショップには必ず「こんなことをしたい」という目標があります。それを効率的に達成するためには、与えられた時間の中で何をどんな手順でやるかというシナリオが必要になります。それが、ワークショップのプログラムです。
3. ファシリテーター~舵取りをする~
適切いチームを設計して、入念に練ったプログラムを用意しておけば、ワークショップは所期の目的を達することができます。ところが、現実にはシナリオ通りにはなかなかいかず、その場で適切な対応をしていく ファシリテーターが3つ目の要素として必要になってきます。
ワークショップの構成
ワークショップのプログラムは、オープニング、本体、クロージングの大きく3つの部分で構成されます。
1.オープニング
ワークショップの狙い・ゴール・進め方・ルールなどを共有し、今後の活動に備えてウォーミングアップするのがオープニングの目的です。ここの良し悪しで、参加者がうまくワークショップに乗れるかどうかが決まってきます。
2.本体
ワークショップの中心をなす要の部分です。プログラムの本体はセッションと呼ばれるまとまった塊を組み合わせて構成されます。セッションは30分~120分ぐらいの塊であり、内容としては、話し合いをスタートする雰囲気をつくる セッション、皆で課題を探るセッションなどがあります。セッションには狙いが定められており、1つ以上のアクティビティ、テーマ、場で構成されています。
3.クロージング
成果や行動計画を確認したり、活動を振り返ったりする締めの部分です。「終わりよければすべてよし」という言葉があるように、ワークショップがスッキリと終わるのかモヤモヤで終わるのかは、この部分にかかってきます。
ワークショップアクティビティ
プログラム内のセッションにおける狙いを達成するために、参加者がおこなう活動をアクティビティと呼びます。アクティビティは、自己紹介、ブレーンストーミング、発表…といった、これ以上細かく分けてもあまり意味のない、ひとつの活動のまとまりで、次のような分類がされます。
- 場を温める→心をほぐす・頭をほぐす
- 資源を引き出す→考えを引き出す・疑似体験をする・実体験をする
- 話し合う→考えを広げる・考えを深め合う・多様な視点で考える
- つくりあげる→議論をまとめる・制作する
- 分かち合う→成果を共有する・活動を振り返る